昨年9月に中区新天地から移転し、同年11月に発泡酒で醸造免許を取得した店長が切り盛りするブリューパブ(醸造所併設飲食店)。提供する8種のクラフトビールは全て自社製品で、季節ごとに風味を変えている。
「例えばエチオピア産のコーヒー豆と柑橘類の一種『ライム』を使うなど、配合の組み合わせ方が珍しいクラフトビールを用意。平均予算は3000円で、それぞれに合う料理として12種のハンバーガーとフライドポテト、サラダや肉料理なども楽しめます」
客とのコミュニケーションを大切にしているという店主。自身がカープファンということもあり、店内で試合中継が楽しめるようにとテレビを設けた。客とは試合の様子、FAや契約金の話でも盛り上がるという。
「店名の『ハングアウト』は溜まり場という意味で、お客さまにとってそんな存在になれたらと思い、名付けました。人々が気軽に集い、クラフトビールをより身近に感じていただけるような店づくりを目指します」
東広島に拠点を構え、食品を中心とした商品開発やブランディング、販路拡大支援を手掛けています。
子どもの頃から野球が好きで、大学時代には京セラドームでファウルボールの注意喚起をする笛吹きのアルバイトを経験。国内で行ったことがない球場は残すところエスコンと仙台のみになりました。徳島出身ということもあり、特定の球団というよりは野球そのものが好きだったのですが、尾道出身の妻との出会いがきっかけでカープファンに。2014年に初めて二人で試合を見に行き、アメリカのメジャーリーグを思わせるスタジアムの雰囲気も含めて好きになりました。
特に応援しているのは同年代の野村祐輔投手。甲子園決勝でのきわどい判定が印象深く、明治大学を経てどこに入団するのかドラフトで注目していました。少し前までは40歳近くになっても活躍する選手がたくさんいましたが、最近は入れ替わりが早いように思います。カープでも気がつけば自分と同年代以上の選手は数えるほどに。野村投手にはまだまだ現役で頑張ってほしいですね。
今シーズンは惜しくもリーグ2位で、クライマックスでは阪神・岡田監督に見事にやられました。来シーズンは新井監督がどのように師匠を超えるのかに注目したい。25年ぶりのリーグ優勝を果たした16年には甲子園を真っ赤に染めたことがニュースになりました。敵地を圧倒する熱気を再び呼び起こし、来年こそは日本一へ。
売り手よし、買い手よし、世間によし。近江商人の「三方よし」の考えは、いまも変わることのない企業経営の要諦だが、折々、業績ファーストに走り、違法な商いが世間を騒がす。やがて経営破綻する先は多く、長く経営を続けることは並大抵ではない。
近年は地球を守り、ワークライフバランスを大切にする会社が人気を集める。若者が就職先を選ぶときの大事な指針になり、人手不足にあえぐ企業にとってよそ事では済まされない。社会貢献への意識も高く、地域と歩む中小企業に関心を寄せる若者も増えているという。
軽自動車販売のサンボレ(佐伯区千同)は2006年に創業来、大切にしていることがある。会社は地域によって生かされており、少しでも地域に役立つことはないかと考え、いつも気を配る。いまは緊急車両のレスキュー業務に力を入れている。毎年のように発生する自然災害。車を生かせないかと18年からスタートさせた。ここ数年は毎年3000件以上の出動要請に応じ、県内の登録事業者のうち最多となった。小田修久社長(46)は、
「平均して1日に約10件、延べの出動時間は2万2000時間に及ぶ。車に関する緊急時の対応ノウハウはプロと呼べるまでに高まったと思う。ハザードマップを見ると当社のある地域は70年ごとに浸水の可能性がある。自治体と防災協定を結び、効率的に運営できないだろうか。被災地へレッカー車で駆け付けるがけん引できるのは1台だけ。何とももどかしい。豪雨の被災地に近い地域の小学校などを開放してもらえれば、レッカー車をピストンで走らせて被災車両を運ぶことができる。現場は一分一秒を争う。経験で得たノウハウを生かせる方策に落とし込みたい」
社名は「三惚れ」に由来。土地にほれ、仕事にほれ、女房にほれる。家訓として祖父から受け継いだ言葉をそのまま社名とした。
「自分のいる場所に根を張り、地に足を着けて仕事に取り組む。周囲の人に役立ち、家族や仲間を守り抜く。祖父の教えが礎となっている」
20年春から新型コロナ感染が拡大した時は、公共交通機関には乗りたくないが、車を持っていない近所の人のために無料レンタカーを実施。経済的に追い込まれた人には車検の基本工賃を無料化するなど、気付いたことは端から手を打ってきた。設立の翌年に始めた「サンボレ祭り」は毎年、来店者が1500人を超える地域のイベントに定着。下校する小学生が店に立ち寄ってトイレを借りていくのが日常の風景だった。19年に佐伯区屋代から現在地に移転した直後のコロナ禍で、その祭りは中止しているが機会をうかがう。
ここ数年、売上高は前年比2割増で推移し、創業来の黒字を続ける。従業員は9人。
「社会性、独自性、経済性の順番で物事を考えていくことにしている。むろん利益は必要。だが最も優先すべきは社会に貢献することだと信じている。きれいごととよく言われるが、公益性のある資本主義を実現することが、一番の経営テーマだ」
今年は本社近くに新築した指定工場2階に半面のテニスコートを整備した。地域の子供たちが人の目を気にせずに体を動かせるようにと広く解放する。
いつも一生懸命。三方よしの一つでも信を失えば商いは成り立たないと話す。